1915年、イタリアに生まれたハリー・ベルトイアは15歳になると家族と一緒にアメリカに移り住むことになりました。アメリカの大学で金属工学や彫刻を勉強した影響で、彼がのちにデザインする家具には金属ワイヤーが使われている物が多くあります。
中でも有名なのは「ベルトイアスツール」や「ダイヤモンドチェア」です。金属ワイヤーをメッシュ状に組むことで構成されたチェアは見た目もスタイリッシュで、合わせるパッドのカラーを変えることでイメージも自在に変化させることができます。また、金属ワイヤーを使用することで、椅子の向こう側が透けて見えるという部分も彼の作品の一部になっており、ベルトイアの芸術的な一面も垣間見える、そんなチェアです。
彼はこの金属ワイヤーを使用した椅子を発表したのちに家具デザインからは遠ざかり、彫刻家としてのみの活動にとどまったそうです。ですが、彼のファンは未だに多く、ダイヤモンドチェアなどは現在もリプロダクトされて愛されています。