■ 伝統的なソファの内部構造
古くから愛用されるソファのメイン材料として利用されるコイルスプリング(内部 に使用する渦巻き状バネ)は巻かれた直径の大きさによって反発力が異なります。
1本のバネでも直径の大きな部位は軟らかく小さい部位は硬くなっています。ですのでコイルスプリングは、上から下にかけ跳ね返りが強まる性質を持っています。この性質は、はじめはふんわりして後にはしっかり体を受け止めてくれます。しかしコイルスプリングに直接座ったとしてもくつろぎは得られません。そこで椅子職人たちはくつろぎを得られるよう素材を重ねる合わせることで大きなコイルスプリングのようなソファーを作り出しました。下から上へ軟らかくなるようにバネ本体、パーム などの硬め繊維、パンヤや馬毛など軟らかい繊維、そして肌触りがよく軟らかい羽毛 を一層ずつ置きコイルスプリングと構造的に同じものを作り上げたのです。耐久性が あって張り替え補修が可能な理想的な構造 となっています。
長持ちする良いソファーの秘密はコイルスプリングの構造に関係しているのです。
■ 新世代のソファの内部構造
1960年代から70年代にかけて家具業界は めざましい発展を遂げることとなりました。
低価格で手軽に製造できる新素材が次々と開発されたのです。それは内部構造の複雑なソファにも大きな影響を及ぼしました。コイルスプリングはエラストテープに、羽毛はダクロンに、釘は大きなホッチキスの針に移り変わり、さら に石油を原料とする合成繊維、ウレタンが開発 されたのです。ウレタンはフェルトやパーム、 馬毛、羽毛などの内部で使用されていた素材を一手に引き受けてしまう驚きの素材となりました。
さらにモールド(鋳型)ウレタンは経験がなくても機械で簡単に大量生産でき簡単につく ることができるようになったのです。伝統品にも劣らない新しいソファが沢山産み出されま した。ですが新素材の出現で低価格で簡単に作り出すと同時に多くの粗末で質が悪い品が産み出されたのも事 実です。その影響は大きく、 その反省も踏まえて伝統的で新素材を利用した 内部構造が支流となっています。
現在、私たちが良質の品を手軽な値段で購入できるようにな ったのは、このような背景があるのです。